「10%の食塩水」といえば、10g の食塩を90g の水に溶かしたもの……
つまり、10wt%のことですよね。
あんまり疑問を抱かずに、そう理解してきました。
が、よく考えると「おや?」と感じることもある、と。
そんなブログ記事を拝見したので、ちょっと考えてみました。
一般的に「濃度」という場合には、質量パーセント濃度
(おじさん的には重量パーセントの方が馴染みがいいんですが)のことかな?
と思うわけです。
でも、何が何に対して10%かわからんやないかいっ!! という突っ込み。
そりゃそうですね。
元の液体の10%分の事かも知れませんし?
じゃあ、何て書くん?
塩化ナトリウムの10wt%水溶液
で万事解決!? ちょー難しそうやね……。
他にも、たとえばアルコール濃度の場合には、容量%(vol/vol)が使われています。
アルコール6%のビールといえば、「このビール350mlには、21mlの エタノールが含まれています」っていう意味ですね。
だいたい、密度が0.8くらいなので、17g程度となります。
お酒は伝統的にvol/volです。
これも暗黙の了解です。
日本語のコンテキスト依存性……なんてことを言いたいわけではなく、定義がいろいろあって混乱するから単位を正確に書いたらどうかね? という提言かな。
ところで
vol/volで気をつけないといけないのは、分母が混合物の容量ですよってこと!
よく、10mlのアルコールと90mlの水と混ぜたら、10%のアルコールが100mlできあがり!?
みたいなことを書いている人がいますが、完全に間違いですからっ!!!
wt%、vol%、mol%の意味と計算例 - 具体例で学ぶ数学
二つの容積 a と b の物質を混ぜて溶かしても、容積はa+bではありません。
不思議ですね。
さてさて、
というわけで、10%の食塩水と聞いて、勝手に質量パーセントとして受け取ってしまうの謎は解けたでしょうか?
なにがや?
小学生の子供に、質量パーセントがどうたら説明しても難しいから、「そういうもんだ」ってことで済ましているというのが、現実かな?
そういう意味で言えば、足し算で 1.8 + 0.2 = 2.0 ではなく 2 としないと間違いになるという問題もありました。
有効数字を教えても難しいからというご都合主義でしょうが、似たような事情を感じます。
ダラダラ書き連ねましたが、いかがでしょうか?